自殺告げずマンションを賃貸した家主の弁護士に賠償命令?

自ら所有するマンションの一室で

自殺があったことを告げずに

その部屋を賃貸したのは不法行為だとして、

部屋を借りた男性が家主の男性弁護士に

約144万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が

28日、神戸地裁尼崎支部でありました。

 

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杉浦一輝裁判官は

「告知すべき義務があったのに、意図的に告知しなかった」

として、弁護士に賃料や慰謝料など

約104万円の支払いを命じました。

 

 

弁護士は控訴する方針のようです。

まぁ、ことの経緯を詳しく知りませんが、

不法行為って、

何の法律を破っての不法行為なのでしょうか?

 

 

たしかに、宅地建物取引業法(宅建業法)では

「隠れた瑕疵(キズ)」などが存在する場合は

買主・借主に説明する義務があります。

自殺などの「心理的瑕疵」も同様です。

 

 

しかし、それは「宅建業法」でいうところの

「取引」にあたる場合の話です。

自己の所有する物件を他人に貸す、

いわゆる「自ら賃貸」は、

宅建業法上の「取引」には該当しません。

 

 

今回の借主も、登記記録を調べたり、

住んでいる人に聞いたりすることもできました。

また、宅建業の人のあっせんによって

契約締結した場合は、

その宅建業の人には説明義務がありますので

自殺があったことはきちんと知れたことでしょう。

 

 

勝手に中抜き(業者をぬく)して

手数料ケチっときながら

賃貸人に説明義務違反だと訴えるのは

ちょっとワガママが過ぎるのではないでしょうか。

そういったリスクを避けるために

プロの業者がいるんです。

 

 

今回の裁判では、弁護士が「知らなかった」と

あからさまな嘘をついたことで不利になって、

負けちゃったのかもしれませんが、

そもそもこの件は、

「そもそも説明義務があったのか?」

という論点で争うべきだと思います。

 

 

説明義務がないなら、不法行為ではなく

「家主の良識」うんぬんの話になります。

借主もよく調べずに賃貸借契約を結んだ

落ち度も考慮されるでしょうね。

この男性弁護士は、控訴する方針だそうです。